【レビュー】フライングタイガーのハンドミシン(ソーイングマシン)

みん

フライングタイガーでおもちゃみたいなハンドミシン(商品名:handheld sewing machine)を買ったので、商品の詳細や使い勝手を紹介していきます。

結論から言うと「ミシンのおもちゃ」であり実用性はないと思った方がよさそうです。

(2024年4月追記)
狭いお家に住んでますので、この度残念ながら実用性の乏しいハンドミシンは捨てました。さようなら…。せめて、普通にちゃんと「縫う」ができたら、取っておいてもよかったのですが、旅行に持って行く?⇨手軽ではあるけど邪魔。 普段のちょっとした裾上げとかに使う?⇨手縫いで十分。ということで、使う機会が来ないということに気がついてしまいました。可愛かったのですが、残念です。

お裁縫初心者の方に向けて、税込440円で購入できる「ミシン」として紹介の予定でしたが、実用的な意味では全く使い物になりませんでしたので、「ミシンのおもちゃ」として割り切って、率直な感想を紹介していきます!ハンドミシン自体は、楽天やAmazonを見ると、数百円から手動のものが並び、電動のものは1,800円くらいからあります。一般的な机の上に置いて使うミシンはそこそこの機能を求めると20,000円くらいはしますので、それを踏まえて440円で買える「ミシンのおもちゃ」として考えてください。

目次

購入のきっかけ

コスチュームの制作では、肩の部分だけ脇の下の部分だけなど、数センチ縫う作業が細々と続くことがあります。ミシンで縫うほどでもないけど、手縫いでは強度が心配であったり、縫い目の美しさを考えるとミシンの方がいいなと思うような場面がたくさんありました。

440円のハンドミシンで短い距離の部分は縫い、スカートの裾など長い距離を縫う時だけミシンを使う、という形で、縫う長さに応じて使い分けられると良いなと思ったのが今回購入した動機です。

商品の概要

サイズ(箱)約7.8cm×11.2cm×4.8cm
商品名Sewing machine
価格税込440円
生産国MADE IN CHINA
箱(表面)
箱(裏面)

セット内容

  • 本体 1個 (ピンクを選びました)
  • 通常のミシン糸を使用するたの糸たて棒 1個
  • ミシン糸 2色 各1つ(白と黒、うち白糸は本体にセット済み)
  • イラストの説明書 1枚
  • 糸を引っ掛ける金具 1個
  • 巾着袋 1枚

※本体の色は、店頭ではピンクと青の2色が置いてありましたが、黄色など他の色もあるようです。

箱の中身

実際に縫ってみます

本体には最初から白の糸がセットされている状態でしたので、早速手元にあった布で試し縫いをしてみます。布を送る動き(次に針が刺さるべき位置に布を動かす動作)が、この本体の大きさでちゃんと機能するのか心配になりましたが、実際に布を挟んで動かしてみると、意外と布はしっかりと送られていきました。ホチキスと要領は同じで、針を上下させる感じで布を挟むように動かすと、確かに1針1針縫っていけます

「押さえがね」部分が下がっている様子
布を挟むために押さえがねを上げたところ
押さえがねで布をしっかり固定したところ
20回ぐらい縫ったところ
布の裏から見たところ(一部は縫えてない)
二つ折りにして縫った布を開いた様子

【必須】縫い終わりの処理

普通の上糸と下糸のあるミシンを使い慣れている方には想像がつきにくいかもしれませんが、今回のミシンは縫い糸が編み物のように、一本だけで布に固定されていく形になるので、縫い終わりの処理をしっかりと行わないと、簡単にほどけてしまいます。

縫い終わりの処理として、裏側から縫い目の最後の輪っかから糸を引き抜き、引っぱってもほどけてこない状態にします。

購入して気がついた ”できないこと”

なんとなく想像ついただろうと言われてしまいそうですが、実際に縫ってみて気がついた点をまとめます。

返し縫い

一般的なミシンで縫い物をするときは、縫い始めと縫い終わりに返し縫いという縫い方をします。文字通り、同じ場所を少し進行方向とは逆向き、戻って縫うのですが、これによって糸がほどけてきてしまうのを防ぐことができます。

このハンドミシンには縫う方向(正確には布を送る方向)を変える機能がありませんので、一方向にしか縫えません。また、普通のミシンを使い慣れている方は、針を布に刺したまま、押さえがねを上げて布の前後を入れ替えればいいのでは?と思われるかと思いますが、このハンドミシンは針を布に刺した状態では布を動かすことは「ほとんど」できません

そのため、返し縫いはできません。

まっすぐ縫う(…?)

布を針の上下に合わせて自動で送ることはできますが片手は針を上下させる動きで手一杯なので、どうしても縫い進める位置をしっかり固定することが難しく、真っ直ぐ縫うことがとても難しいです。1針進むごとに布の位置を調整しながらやれば、なんとかなりますが、縫い目の幅も少しずつずれてしまうため、せっかく「ミシン」を使っているのに縫い目が綺麗ではなくなってしまいます。

しっかり縫う(…?)

一般的なミシンは、上糸と下糸の2本を使います。上糸が針と一緒に布の下に入り、下糸によって固定されることで「縫う」イメージです。ただし、今回のハンドミシンでは上糸の1本しかありませんので、1本の糸が布の下で鎖のような形になるチェーンステッチになっています

チェーンステッチ(縫った裏側)

これがかなりやっかいな点です。チェーンステッチということは、刺繍をしたことがある方は想像しやすいと思いますが、一つ間違うと縫ったところ全てが、糸を引っ張るだけで簡単にスルスルとほどけてしまいます。(そのため、後からほどく予定のところに使う縫い方でもあります。)刺繍などの装飾に使うぶんには、仮にほどけても大きな問題にはならないかもしれませんが、ほどけては困るところには使いにくいです

下糸を引っぱってギャザーを作るなど

チェーンステッチという縫い方になるので、一般的なミシンで時々使う「下糸を引っぱってギャザーを寄せる」というような工程はハンドミシンではできません。そのため普通のミシンがない場合は、ギャザーを作るには手縫いでなみ縫いをする必要があります。

縫い幅を変える

細かい目の布を縫うときと、粗い目の布を縫うときなど、縫い幅を変えることがあるかと思いますが、これもハンドミシンではできません。ひと針ひと針、布を送る距離は一定なので、何を縫うときも同じ縫い幅でしか縫えません。

糸の調子を変える

「糸調子ダイヤル」という名称は家庭科の授業で聞いたことがあるかもしれません。一般的なミシンでは、上糸と下糸の2本で縫っているので、力加減のバランスをとる必要があります。バランスが崩れると糸がゆるくて表面が美しくなくなったり、表面に下糸が出てきてしまったりします。布の種類などによって、糸調子を変えて作業する場面もあるかと思います。ハンドミシンでは、ある意味、上糸と下糸のバランスをとる必要がないので、糸の調子を変える機能もありません。

縫う方向を変える

ミシンで縫う方向を変えるときは、一般的に針を下ろしたまま、押さえがねをあげて、布の向きを変えて方向を変えます。ハンドミシンではこの、針を下ろしたまま押さえがねを上げる動作が、できない訳ではありませんでしたが、かなり難しくなっていました。

針を刺したまま、押さえがねを上げて、布を回転させることで縫う方向を変えることができます。ただし、このときに縫い目が飛んでしまう(そこから簡単にほどけてしまう)ことが多く、かなり難しい作業でした。

まとめ

手縫いで縫うときの、「なみ縫い」とは異なる「チェーンステッチ」のハンドミシンは、正直使い道はあまり多くないと思います。440円のミシンのおもちゃとしては、使い慣れればちょっとした小物くらいなら作れますので、興味のある方はお試しください。

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この記事を書いた人

ハンドメイドが好きで手芸用品店に通うのが趣味。洋裁は学校で勉強したことはなく独学です。最近は主にダッフィーとシェリーメイなど、ぬいぐるみのお洋服をメインで製作しています。最近はベビー/キッズの衣類や小物もよく作っています。

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